スタートライン
これは1つ前の「道」の続き。
河合塾に入ってから今日までのことを書く。
ここからも辛いことはたくさんあったけど、ここからの辛さは未来を明るく照らしてくれるものに変わっていった。
9月
9月の後半、思い立って面談をして2日後には入塾していた。
ただ1つ前のブログでも言ったように恐ろしく身体が衰えていたから行くだけでも大変で授業が終わるとヘトヘト。
とにかく社会復帰へのリハビリだと思って頑張った。
まだ精神的にも辛かった。
毎日授業が終わったあとこの場所で人生終わったなぁと思いながらぼーっとするのにハマっていた。
ある日ここでぼーっとストリートミュージシャンの歌を聴いてると突然涙が溢れてきて、隣にいた見知らぬおばあちゃんに心配そうに話しかけられて30分くらい話したこともあった。
10月
たまたま席に隣になった男の子と意気投合し仲良くなった。
その子はクラスの中心的な誰とでも仲良くする子で、その子のおかげでたくさんの人が話しかけてくれるようになり、友達がたくさんできた。
ほんとにこの子には感謝している。
そしてあとから分かったことだけど、実はこの子も二浪だったらしい 笑
この頃から志望校に悩み始める。
法学部になんとなく行きたい自分と、阪大ならどこでもいいやと外語にしようという自分が心の中で葛藤を起こしていた。
それを相談しに英語の木下先生のところに相談しにいった。
そこで先生に二浪した経緯や引きこもりになったこと、コンビニで休憩しながらなんとか河合までたどり着いた話をするとあまりの壮絶さに先生もビックリしたみたいだった 笑
そこで先生が僕に言ってくれた言葉が僕の浪人生活を大きく変えた。
「君は1回引きこもったことで人の弱さを知った。世の中には困っている人がたくさんいるから、君はそんな人の弱さに寄り添える弁護士になるといいと思うよ。」
僕の中で道が切り開けたような気がした。
ここで僕は外語という妥協を捨てて法学部を目指そうと決意した。
友達がたくさんでき、いい先生や担任と出会い、志望学部や将来の夢も決まり、20歳無職引きこもりから少しづつ人生が変わるような感覚が芽生え、少し精神的にも安定した。そんな1ヶ月だった。
そして10月は忘れられない出来事があった。
ハロウィンの日、少しづつクラスに馴染み始め、二浪であることもある程度周りに明かせた頃だった。
お昼休みにお弁当を食べてると色んな人がハロウィンだからということでお菓子をくれた。
そして仮装してる友達をみんなで見て笑ったりしていると不意に引きこもっていた頃の自分が頭に浮かんだ。
毎日部屋の白い壁を見ながら1人で絶望していたけど、今自分はたくさんの友達に囲まれて笑っている。
自然と笑顔になっている自分が嬉しくて涙が出た。
周りに気づかれないように下を向きながらお弁当を食べた。
人の温かみを身をもって体感した瞬間だった。
11月
10月のおわりくらいからなんとなく阪大法学部は厳しいような気がして、志望校をどうしようか考え直した。
これは去年志望校を京大にしたまま突っ走って大失敗した反省から、早めから現実的に目指せる志望校を探そうというような運びになった。
そして見つけたのが北大だった。
夏に頑張った分、夏模試で数学の結果が良くて判定も良かったし、2次試験の形式が数学を活かしやすくて自分にぴったしだった。
ここで北大志望に「自分の中では」決まった。
そう、自分の中では。
親が猛反対した。
11月は冠模試があり1ヶ月に7回も模試をうけ、親と志望校で揉めながら勉強をしないといけなく、かなり精神的に辛い時期だった。
ただこの頃から毎日9時半まで自習するようになり、かなり必死に勉強できた時期だった。
12月
模試が一通りおわり、安堵からかセンプレの次の日からの1週間は熱を出した 笑
そして怒涛に模試がかえってきた。
なんとなく阪大オープンの冊子を開くと、法学部の4位のところに高三のとき1番仲良かった二つ下のサッカー部の後輩の名前があった。
悔しくてしょうがなかった。
勉強に手がつかなくなり担任に話を聞いてもらおうと行くと、話してるうちに涙が込み上げてきた。
別室で話すことになって、そこで久しぶりに人前で泣いた。
熱を出したり志望校のことで親と揉めていたり成績が伸び悩んでいたり安全策の市大に下げるかどうか葛藤していたりとか、精神的にも身体的にもボロボロの時期で、そこに後輩の冊子掲載が目に飛び込んできて、かなり追い込まれた。
もしかしたらこの時期が1番辛かったかもしれない。
でも今振り返ると、ここでの辛さは、必死に自分を変えようと頑張っているからこそ感じれる辛さで、引きこもっていたときのただ絶望するだけの辛さとはちがい、すごくいい方向に自分が進んでいる証拠だったと思う。
そして三者面談で自分の北大への思いを親に伝え、これまでの頑張りも認めてもらい、正式に北大志望になることができた。
この頃から友達との会話でも二浪や引きこもりだったことを自虐ネタとして話してみんなで笑うようになっていた。
これは、もう自虐できるくらいに今の自分を受け入れることが出来たってことだと思う。
ほんとに大きな成長だった。
ここで僕は大きな壁を乗り越えたような感覚がした。
そして今日はセンター五日前、最近思うことがある。
振り返ればほんとに辛い辛い1年だったけど、それを乗り越えて今自分はここにいる。
今自分は大きく成長する道の途中にいるのかもしれない。
GReeeeNの『道』という曲の中にすごく響く歌詞がある。
「楽しい日々だけが人生じゃない。唇噛みしめる日々も必要じゃない?きっとそれが分かれば それが君のスタートで足かせ外してさらに前へ」
激動の20歳の1年間、たくさんの辛いことを乗り越えてきたこの1年がこれから新しい人生へのスタートラインなのかもしれない。