二浪Fラン生の逃亡記〜第1話〜
奨学金の申請をするためにFランにいった。
入試成績優秀の奨学金なのにどうしていちいち書類提出だのウェブ登録だのしないといけないのか理解できない。
そのうえ100字以上で奨学金をもらう理由を書けって、おまえらがくれるって言ったからもらう以外に理由ないだろおとなしく手渡ししろよこのFランが。
てなわけで自転車でFランにいった。
自転車を降りて受付の校舎を探すけど、なかなか見つからない。
狭そうに見えて案外キャンパス広かったんだな。
通りには桜が満開だった。
建物も普通にきれいで、芝生の中庭とかもあった。
奥の方はこんなんになってたんだな。
受験のときはこんなに奥まで来なかったから知らなかった。
もっと馬鹿な中高を出て二浪なんかせずに来てたら、そこそこいい環境だったのかもしれないな。
そんな感情がふと頭によぎった。
でも残念ながらそんな世界線に今の僕はいない。
考えれば考えるほど鬱になった。
どうしてこんなFランに入ることになってしまったんだろう。
そんな感情がまた込み上げてきた。
キャンパスに入るとほんとに鬱になる。
やっぱり僕はこの環境が向いてないようだ。
やめたい、早くやめたい。
そんな僕の思いとは裏腹に満開の桜はむしろ哀愁のようなものを感じた。